朝、立ち上がることが出来ない腰の痛み。
 
それでも這って会社に行く無茶をする。
 
合間を見つけて病院で痛み止めをもらい、
近くの治療院で揉んでもらい、
鍼を打ち、温めたり…。
 
ついには「お札」を貼ってもらったりと、
20～30軒は治療をさまよう毎日は、
診察券と回数券ばかりが増えていくのに
身体はちっともよくならない…。
 
常に不安と闘いながら
痛いことが頭から離れることのない
日々を過ごしていました。
 
そこから数年後。
新たに私を悩ませていたのが
「心」を辛くさせる日々…。
 
仕事のプレッシャー、
対人関係、周りとの比較、
特に厳しかったのが
パワハラに悩まされた数年。
 
私は笑うことを忘れました。
心を壊しました。
最悪の選択をしようとも思いました…。
 
 
そのどん底の私を助けてくれたのが、
公園を掃除していた
『見ず知らずのおじさん』。
 
会社を飛び出し、
いつの間にか公園のベンチに
腰かけていた私の隣にそっと座り一言。
 
「悩み事聞いてやるから話せ」
 
私は人生で初めて
「人に相談」できる喜びと、
「人を頼る」大切さを
教えていただきました。
 
その出会いで会社を辞め
人生の立て直しを誓いました。
 
 
 
「人生の大きな転機」
 
私には二人の娘がいます。
 
上の子が高校生の時、
大きな悲劇が襲いました。
 
「血液のがん」
 
運動が得意な娘。
 
病なんて無縁と思っていた娘に
機械が繋がれ、
体のいたるところに管が何本も刺さり、
モルヒネがなければ
１M先のトイレにも行けない…。
 
やせ細り、抗がん剤の影響で髪の抜けた娘。
 
治りますか？
 
私たちの問いかけに
医師ははっきりと答えないまま、
告知の日は家族で思いきり泣きました。
 
でも、私たち家族を救ったのは娘の一言。
 
「もうしょうがない、治すか！」
 
なんと強い子なのだろう。
 
でも、行く先はやはり見えないものでした。
 
抗がん剤を用いた標準治療、分子標的薬、
様々な化学療法を進めるにあたり、
骨髄穿刺やリンパ節の生検、
尿道カテーテル。
 
毎日朝早くにとられる血液のための注射で、
細い腕にはもうどこにも刺すところがなく、
首に穴をあけそこに管を通し採血するなど
痛々しいことを何度も繰り返しました。
 
娘はとにかく「生きる」ことだけを目標に、
それでもあまりにも苦しい毎日を過ごし、
ついに選択は「骨髄移植」のみに…。
 
 
ドナーから骨髄を分けてもらい、
新しい骨髄で体を一から作り直すもの。
 
でもそれまでの体を一度手放す
ということは想像以上に苦しみを伴うもの。
 
私たちはまた選択を迫られました。
 
泣きじゃくる娘が決めたのは「生きる」。
その為にこの苦しみを超えるという決意。
 
「どうなるかわからない」
という選択はありません。
 
生きてやりたいことが沢山あるから、
迷うことなく生きようと決めました。
 
 
そして、ここで一つ奇跡が起きました。
 
移植のドナーが
見つかる確率をご存じですか？
 
東京ドームは観客が満席で
5万人弱になるそうです。
 
観客席が満席で、
マウンドに一人
ドナーを探す子が1人立つとします。
 
この1人の子のドナーになれるのは、
満員の観客のうち何人いると思いますか？
 
 
実は1人いるかいないか。
 
 
それほどドナー適合には
厳しい現実があります。
 
ドナーが現れるまで
どれだけ待てばと落胆していた時、
なんと妹がドナーとして一致。
 
とてつもない奇跡。
 
でも妹は当時小学生。
とてもそんな怖い思いや
大きな責任を押し付けるわけには…。
 
でも、この子は親の気持ちを察したのか、
「お姉ちゃんが助かるならドナーやるよ」
と言ってくれました。
 
あぁ、こんな小さな子も
一緒に戦ってくれているんだな。
 
こうして骨髄移植に向けて
準備が始まりました。
 
 
そして2つ目の奇跡。
 
娘が移植の直前に高校を
卒業出来ると決まったのです。
 
車いすに乗って式に出て、
そしてなんとクラス代表で壇上に上がる…。
親が無理だと思っていることを、
何度も頑張りで越えていく娘の姿に、
会場の誰よりも泣いてしまいました。
 
そして沢山の皆に囲まれ、後輩に応援され、
移植を受ける病室へ戻っていきました。
 
その骨髄を提供するために、
もう一人の娘が病室へ。
 
そして麻酔が抜けきらない中、
骨髄を提供する手術から出てきた妹は、
ボーっとする眼の中で誇らしげにピース。
 
 
家族がまた一つ大きく成長できました。
 
骨髄移植後、
娘の数値は良くなっていきました。
 
 
長い戦いを越え、娘は家に帰ってきました。
 
車いすに乗り久しぶりの我が家。
ぐったりとしながらも、
「やっとだ」と。
 
誰もがこのまま体力の回復を待ち、
元気になっていけると思っていました。
 
でも、この病気はそう望むことを
許してはくれませんでした。
 
退院して20日後、発熱。
緊急入院。
 
医師からは「再発」の言葉。
 
「生存率」は想像したくない一桁。。。
 
そこでも娘は
「しょうがない、やるか」
 
そう声を発します。
 
何より絶望を感じている本人のはずなのに、
一番前を向く娘。
 
私たちも下を向くわけにはいきません。
 
 
こんなにも苦しい思いを
2回もさせなければならないのか。
 
申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、
3回目の奇跡が気持ちを打ち消しました。
 
なんとドナーが奇跡的に
見つかったというのです。
 
前を向かない理由は何一つありません。
 
2回目の移植は、
それはそれは辛いものとなりました。
 
それでも乗り越えて病室に帰ってきた娘。
 
ただ、思うようには
良くなってくれませんでした。
 
私の頭によぎる「生存率」の数字。
 
肺にたまった水が抜けず、
毎日フルマラソンを
全速力で駆け抜ける状態で
過ごしているような苦しさが、
娘に襲い続けていました。
 
 
その時4つ目の奇跡が起きたのです。
 
数日前に厚生労働省が、
認めた薬があると情報が持たされたのです。
追い込まれていた中での希望の光。
 
そして娘が大きく回復したのです。
医師も驚くほどの回復。
 
一本一本、娘の体から管が抜け、
ようやく首から入れられていた
管が抜けた時、
大きく息を吸い込む娘の姿が
そこにありました。
 
入院から2回の季節を越えて
娘が返ってくることが叶いました。
 
 
今、娘は大学に通っています。
 
改めて選択した大学は医療系。
 
病気と闘う中で支えてくれた
沢山の医療関係者の一員となることを、
娘は選択することにしました。
 
生きると決めた。
それはやりたいことをやる
人生をつかむと決めたからこそ。
 
そうして動き始めた人生です。
 
 
私は病気に悩む方に
伝えられる事があります。
 
「治りますか？」
 
その声に
誰も明確にお答えすることはできませんが
元気になっていただくために必要なことを、
私はお手伝いさせていただきます。
 
数年後「そんなこともあったね」と
笑って振り返る日がくると信じて
一緒に進みたいからです。
 
 
体を壊し、
心を壊し、
大きな病気と闘うことを、
家族と乗り越えた経験をした私。
 
「大丈夫」と悩みを抱えたあなたに
伝えられる整体院を今作っています。
 
私の人生のストーリーは
まだまだ前進中です。